俊成卿女家集を書く(1)-余情あふれて-

1.三十四歳になって
釈文:三十四になりし十五夜の御歌の中に、故殿へながめごとおはしますと聞えしに 
「いにしへの秋の空まで角田河(すみだがは) 月に言問ふ袖の露かな」

歌の選字は「移爾し邊農秋の空ま傳角田河つ支 耳故とヽ布楚亭能徒ゆ可那」

鑑賞:「三十四になりし」元久元年1204年のことか。「故殿」夫 源通具のこと。「角田河」に「澄み」をかけている。「袖の露」涙のこと。

参考文献:平安鎌倉私家集 久松潜一校注 岩波書店