2020-09-30 / 最終更新日時 : 2020-09-17 タオ 思慕の情 夏野の草や、水鶏よ(4)建礼門院右京大夫集 4.所たがへのふみ 『源氏物語』の夢浮橋の巻に 「今日は、なほもて参りたまひぬ。所違へにもあらんに、いとかたはらいたかるべし」 浮舟が出家を決意し、現世の人間関係を断ち切ろうとしているときに、薫君からの手紙を受け取り、拒 […]
2020-09-29 / 最終更新日時 : 2020-09-17 タオ 思慕の情 夏野の草や、水鶏よ(3)建礼門院右京大夫集 3.私に約束し、他の女にも・・ 題は、「我に契り人に契る恋」で、私に約束し他の人にも約束する恋、の意味です。意味深なタイトルで、何か始まりそうです。あくまで題詠歌ですが、一首読みます。 「たのめおきし今宵はいかに待たれ […]
2020-09-28 / 最終更新日時 : 2020-09-17 タオ 思慕の情 夏野の草や、水鶏よ(2)建礼門院右京大夫集 2.連夜の水鶏 毎晩鳴く水鶏の意味ですが、急に「水鶏」とは驚きます。これは暗喩で、男性を待つ女性の視点から詠まれています。 「あれはててさすにともなき 真木の戸を なにと夜離れず たたく水鶏ぞ」 選字は、「あれ者てゝ […]
2020-09-27 / 最終更新日時 : 2020-09-17 タオ 思慕の情 夏野の草や、水鶏よ(1)建礼門院右京大夫集 1.野中のあずまやの 題は、「野亭夕の草」で野中のあずまやの夕方の意味です。 「夕されば 夏野の草の かたなびき あらためて すずみがてらに やすむ旅人」 選字を「ゆ布佐連八夏野の草乃可たな 飛き寸ゝみか弖らに […]
2020-09-26 / 最終更新日時 : 2020-09-11 タオ 思慕の情 恋にも様々あり題詠歌(5)建礼門院右京大夫 5.名前を変えて逢う恋 「変名を用いて恋人に逢ふ恋」とは、穏やかならぬ事情がありようで、物語が始まりそうですね。 「いとはれし うき名をさらにあらためて あひみるしもぞ つらさそひける」 選字は、「いとは連しうきな越 […]
2020-09-25 / 最終更新日時 : 2020-09-11 タオ 思慕の情 恋にも様々あり題詠歌(4)建礼門院右京大夫 4.ひとり寝のわびしさを・・ 今回の題は「ねざめの擣衣」とは、寝覚めて聞く砧の音の意味です。衣を打って艶を出したり、柔らかくしたことです。 「うつ音にねざめの袖ぞぬれまさる 衣はなにの ゆゑとしらねど」 選字は、「 […]
2020-09-24 / 最終更新日時 : 2020-09-11 タオ 思慕の情 恋にも様々あり題詠歌(3)建礼門院右京大夫 3.谷の辺りで鳴く鹿は・・・ 「谷の辺の鹿」とは、谷の辺りで鳴く鹿のことです。鹿が鳴くのは、雄鹿が雌鹿を恋い慕っているといわれています。 例えば、「奥山にもみぢふみわけなく鹿の声聞くときぞ秋はかなしき」読み人知らず(古今 […]
2020-09-23 / 最終更新日時 : 2020-09-11 タオ 思慕の情 恋にも様々あり題詠歌(2)建礼門院右京大夫 2.互いにつねに聞く恋 「互ひにつねに聞く恋」とは、互いにいつも相手の噂を聞くものの会うことができない恋、の意味です。 「ありときかれ われもききしも つらきかな ただ一すぢに なきになしなで」 選字は、「ありと幾可 […]
2020-09-22 / 最終更新日時 : 2020-09-11 タオ 思慕の情 恋にも様々あり題詠歌(1)建礼門院右京大夫 1.尾花が袖とは? 夕暮れに野の花のそばを通りすぎる、という題の意味です。尾花、ススキの穂がすでに出始めており、秋が深まりゆくことを感じます。 「尾花が袖」は、ススキの花穂は風に吹かれ揺れる様を、恋しい人を招く衣の袖に見 […]
2020-09-21 / 最終更新日時 : 2020-09-06 タオ 思慕の情 過ぎ去ったかつての恋(5)建礼門院右京大夫 5.曇りの日の夜に・・ 最後は、「くもる夜の月」の題で 「くもる夜をながめあかして こよひこそ 千里にさゆる月をながむれ」 選字は、「久も流夜をな可免あ可して こ餘日こそ地沙と二散ゆる 月を那可旡連」 […]