弟子の黄庭堅はひたすらに(7)松風閣詩巻から

7.顔を見合わせて

松風閣詩巻 黄庭堅筆 祥香臨

釈文:「相看不歸臥僧氈
    泉枯石燥復潺湲」

書き下し文は「相い看て帰らず 僧氈に臥す
       泉枯れ石燥(かわ)くも復(ま)た潺湲たり」

現代語にすると「顔を見合わせて帰るのをやめて、寺の僧侶の毛布で寝る。朝に見ると、泉は枯れて石は乾いていたが、水がさらさらと流れ始め」

鑑賞:「看」の三画目は非常に長く松風閣の特徴が出ている。「歸」の終画は渇筆で長く伸ばして印象的である。

参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社