弟子の黄庭堅はひたすらに(6)松風閣詩巻から

6.貧しいながらも

松風閣詩巻 黄庭堅筆 祥香臨

釈文:「力貧買酒酔此エン
    夜雨鳴廊到暁懸」

書き下し文は「賓を力(つと)めて酒を買い此のえんに酔う
       夜雨 廊に鳴り 暁に到るまで懸る」

現代語にすると「貧しいなかから無理をして酒を買い、宴を開いて酔おう。夜の雨は回廊に響き明け方まで続く。」

鑑賞:「夜」は姿勢正しく、凛とした姿が美しい。墨継ぎもいきて、終画が伸びやかである。

参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社