俊成卿女家集を書いて味あう(15)-月花五十首を-
15.仙洞五十首との違い
「涙とふ床の月だにさびしきに深き秋なる風の音かな」
歌意は「涙のわけを聞くように寝床に差し込む月の光だけでも寂しい。さらに深まりゆく秋のもの寂しい風の音が聞こえてくる。」
仙洞五十首の「涙とふ床の月だにさびしきに古き跡問ふ風の音かな」
歌意は「涙のわけを聞くように寝床に差し込む月の光だけでも寂しい。さらに古い都の跡を訪ねる風の音が聞こえる。」寂寥感がさらに増したようである。
後鳥羽院の歌合では句題として単に「風、月や花」だけでなく、より複雑な、今回でいえば「月前秋風」などと設定して歌合を楽しんだ。
参考文献:平安鎌倉私家集 久松潜一校注 岩波書店


