注目される私家集は(2)-平安鎌倉時代から-
2.女流歌人としては
鎌倉時代になると俊成の長秋詠藻、定家の拾遺愚草、特に西行の山家集と実朝の金槐集は重んじられている。
女流歌人として、式子内親王集は早くから、俊成卿女集、建礼門院右京大夫集は次第に重要視されてきた。
これまで、建礼門院右京大夫集と和泉式部集を取り上げ、女流歌人に注目してきたが、俊成卿女集は大変興味深く思われた。
俊成卿女集の歌風は定家の余情妖艶の歌風に近い。新古今女歌人の中でも式子内親王の御歌は繊細でしみじみとした情趣が感じられる。一方、俊成卿女の歌は詞が巧みである。
妖艶の中にもさびしさのしみ通るものがあるし、繊細な感覚が表れた歌もある。さらに、書きながら親しく見ていきたい。
参考文献:平安鎌倉私家集 久松潜一校注 岩波書店


