弟子の黄庭堅はひたすらに(4)松風閣詩巻から

4.斧から

松風閣詩巻 黄庭堅筆 祥香臨

釈文:「斧斤所赦今参天
    風鳴媧皇五十弦」

書き下し文は「斧斤の赦す所 今 天に参わる
       風は鳴る 媧皇の五十弦」

現代語にすると「斧から免れて今や天にとどくほど、風に鳴る松風は女神の女媧氏が五十弦の瑟をかなでるかのようで」

鑑賞:「斧」字形は整いつつ終画に味わいがある。「今」左払いが長く飛び立つようで、右のはらいでバランスをとっている。

参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社