逢瀬を重ねた思い出の地・北山は(2)建礼門院右京大夫集を書いて

2,僧侶の所有となり

建礼門院右京大夫集 祥香書

釈文:「たれも見しをりありしを、ある聖の物になりてと聞きしを『ゆかりあること
    ありしかば、せめてのことに、忍びて渡りてみてば」

選字:「多連も見しを里毛阿利し越ある
    聖の物耳奈里傳ときヽ志を遊可りあ

    るこ度あ利しか盤せ免手のことに忍ひて
    渡りて見連八」

大意は、「その北山の地は誰でも見るチャンスはあったのですが、今は僧侶の所有となって
     いると聞いていました。でもその僧とはゆかりがありましたので、思い出として
     人目を忍んで出かけていきました。」

 参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社