さっぱりとして欲が無く(2)五言律詩を書く

2.粗末な家が

晩歸故園二首 祥香書

詩形は五言律詩です。
荊扉帯郊郭
 稼穡滿東菑


語句解説:「荊扉」いばらの扉の粗末な家」。
     「郊郭」城郭の外の郊外。

     「稼穡」植え付けと刈り入れ。
     「東菑」東の田んぼ。

現代語にすると、「扉が粗末な小屋が郊外に連なり、
         東の田は刈り入れを待つばかり。」

書は行草書が混じり、潤渇がリズムを生んでいます。「穡」は複雑な字形を続けながら
軽やかに細めに書いています。

 参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社