建礼門院右京大夫、題詠歌を詠む(3)

3.鶯の登場

建礼門院右京大夫集  祥香書

同じ題でもう一首詠みます。
「春きぬと たれうぐひすに告げつらむ
 竹のふるすは春もしらじを」

選字は、「春きぬ登多れ有具ひすにつ
     希徒らん堂けのふる春を八
     者るもし羅志を」

意味は、「春になったと誰が鶯に教えて知らせてあげたの
     竹藪の中の古巣は今朝、春が来たのもわからないだろうに
     もう鶯がないているよ」*①

鶯と竹林の取り合わせは、他にもみられるようです。

  *出典:建礼門院右京大夫集 新潮社