2021-11-07 / 最終更新日時 : 2021-11-05 タオ 思慕の情 しのぶ恋の始まりは、資盛への思い(3)建礼門院右京大夫集を書いて 2.お手紙を見られませんように 手習いに詠んだ歌の三首から初めの一首です。 「散らすなよ 散らさばいかが つらからむ しのぶの山に しのぶ言の葉」 選字は、「ち羅寸奈よ遅ら佐者い可ヽ徒ら可 ら無し能布農やま爾志 […]
2021-11-06 / 最終更新日時 : 2021-11-05 タオ 思慕の情 しのぶ恋の始まりは、資盛への思い(2)建礼門院右京大夫集を書いて 2.詞書の構成 詞書を書くときは、通常あまり大きく書かず、一段下げて書くことが多いようです。ただ、今回は、字粒をそれほど変わらずに書いています。 一行目は、静かに「者」ではじめて「し」につなげて、「免」で横幅を広げたてか […]
2021-11-05 / 最終更新日時 : 2021-11-05 タオ 思慕の情 しのぶ恋の始まりは、資盛への思い(1)建礼門院右京大夫集を書いて 1.恋の初めの頃は 前の歌で前世の約束にはどうしてもあらがえないものだ、と嘆息まじりに詠っていました。かつての恋のはじまりを思い出しています。 「はじめつかたは、なべてあることともおぼえず、いみじう物のつつましくて、あさ […]
2021-11-04 / 最終更新日時 : 2021-11-03 タオ 思慕の情 まことの道へ入った人さへ(5)建礼門院右京大夫集を揮毫して 5.前世の縁には しばらく、ご連絡をしないからといって、あなたのことを疎ましく思っているわけではないのよ、お察しくださいませ。もう一首の歌は、もう少し恋人の存在を匂わせます。 「さきの世の ちぎりにまくる ならひをも […]
2021-11-03 / 最終更新日時 : 2021-11-03 タオ 思慕の情 まことの道へ入った人さへ(4)建礼門院右京大夫集を揮毫して 4.ひたすらお頼りしています そこで詠んだお歌です。 「夏衣 ひとへにたのむ かひもなく へだてけりとは 思はざらなむ」 選字は、「なつこ路も飛登へ耳たの無可非 裳那久遍多て希利とは思者佐ら なむ」 「 […]
2021-11-02 / 最終更新日時 : 2021-11-02 タオ 思慕の情 まことの道へ入った人さへ(3)建礼門院右京大夫集を揮毫して 3.何でも話せる友へ 作者は思い人の気持ちがわからず、揺れ動く心を友にも語れずにいます。「何事もへだてなくと申し契りたる人のもとへ、思ひのほかに身の思ひそひてのち、さすがに、かくこそともまた聞えにくきを、いかに聞せ給ふら […]
2021-11-01 / 最終更新日時 : 2021-10-29 タオ 思慕の情 まことの道へ入った人さへ(2)建礼門院右京大夫集を揮毫して 2.つきに月が 次は一転して、作者の感性が表れている箇所です。「炭櫃のはたに、小御器に水の入りたるがありけるに、月のさし入りてうつりたる、わりなくて、 めづらしや つきに月こそ やどりけれ 雲ゐの雲よ たちなかくしそ」 […]
2021-10-31 / 最終更新日時 : 2021-10-29 タオ 思慕の情 まことの道へ入った人さへ(1)建礼門院右京大夫集を揮毫して 1.出家をした人 建礼門院右京大夫の心中が語られていきます。 「知りたる人のさまかへたるが、来むといひておともせぬに、 たのめつつ 来ぬいつはりの つもるかな まことの道に 入りし人さへ」 選字は、「志利たる人の […]
2021-10-15 / 最終更新日時 : 2021-10-14 タオ 思慕の情 安徳天皇のお誕生など(5)建礼門院右京大夫を書きつつ 5.遠い国へ流される人 前回の『文選』からの流れでしょうか。遠い国へ流される人の縁者へ向けて謳われます。 「おほやけの御かしこまりにて遠く行く人、そこそこに昨夜は泊まるなど聞きしかば、そのゆかりある人のもとへ ふしなれ […]
2021-10-14 / 最終更新日時 : 2021-10-14 タオ 思慕の情 安徳天皇のお誕生など(4)建礼門院右京大夫を書きつつ 4.感極まって お隣の庭で篝火が焚かれ笛の音が聞こえ、かつて宮中での日々をまた思い出した建礼門院右京大夫は、 「きくからに いとどむかしの 恋しくて 庭火の笛の 音にぞ泣くなる」 選字は、「きく可羅耳い登とむ可しのこ […]