七夕の日にちなみ五十一首を(6)建礼門院右京大夫集から

6.よそごととは思えず

釈文:「さまざまに 思ひやりつつ よそながら
    ながめかねぬる 星合の空」

選字は「沙万ヽヽ爾於も日や利つヽよ處な可ら
    難可免可年ぬ流星合の空」

鑑賞:「よそながらながめかねぬる」は作者がよそごととは思えず、七夕の二星を自らと資盛との恋に重ね合わせて、心の内面に影響を与えている。
「星合の空」は二星が出会う空。

歌意は「七夕の二星が出逢う今宵は、あれやこれやと想像すると、よそごととは思えず気にかかることだ。」

参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社