宮人の御衣裳はすばらしい(4)-建礼門院右京大夫
4.まるでお花が咲いたよう
語彙注:山吹の表着・・襲(かさね)の色目。表は朽葉、裏は黄。
春の衣装として最も愛用されました。
桜・・・諸説がありますが、表は白、『雁衣抄』によれば裏
は花色。又は表は白、裏が二藍、赤みを帯びた藍色
もしくは紫
現代語訳:建春門院が、上にお召しになる重ね袿は、紫色のぼかしが上から下へ入っていて、表着の色目は表が朽葉、裏は黄です。御小袿
は桜色(表は白、裏は花色又は二藍)で、御唐衣(最上層の衣)は青色(淡い黄緑色、古くは染色ですが、近世は経は青、緯を黄とする。勅許なしには身につけらなかった禁色)です。
蝶を様々に織り出したのをお召しになられたのは、言いようもなく美しく、活気にあふれていらっしゃるのです。
いかがでしょうか。建春門院の礼装の色目は身に入るところだけでも、紫、朽葉、白、薄黄緑色と独特の合わせ方と言えます。さらに裏の色目が加わるのですから、華やかさがわかります。
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社