宮人の御衣裳はすばらしい(3)-建礼門院右京大夫

3.襲(かさね)の色め

建礼門院右京大夫集  祥香書

釈文:「女院、紫のにほひの御衣、山吹の御表着、桜の御小袿、青色の御唐衣、蝶をいろいろに織りたりし召したりし、いふかたなくめで

たく、若くもおはします。宮は、つぼめる色の紅梅の御衣、樺桜の
御表着、柳の御小袿、赤色の御唐衣、みな桜を織りたる召したりし、

にほひ合ひて、いまさらめづらしくいふかたなく見えさせ給ひしに」

語彙注:女院・・天皇の生母、内親王、後宮の人たちのうち、特に
        院号を授けられた人。ここでは建春門院
    にほひ・・重ね袿の色を上は濃く次第に下へ淡く、またはそ
        の逆にぼかす重ね方

    御衣・・表着の下に着る重ね袿*①

色とりどりの宮中の装束を細やかに描写し、このまま絵巻物が展開しそうです。色づかいも艶やかで、かつてはこのような色を併せたのかと、興味深いものがあります。次回詳しく見ていきましょう。

 *出典:① 建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社