蘇軾にみる精神性(1)黄州寒色巻より

1.人間味あふれる蘇軾とは

黄州寒食詩巻 蘇軾筆 祥香臨

蘇軾は宋代に活躍し、中国の書画と文学の歴史を変えた重要な人物である。蘇軾(1036〜1102)は幼年から書を好んだとのことであり、父の洵、弟・轍とともに三蘇と呼ばれた。

蘇軾は、北宋、四川省眉山の人。字は子瞻、号は東坡居士ゆえに蘇東坡と通称される。二十二歳で進士に合格した時に試験官の欧陽脩に激賞された。

しかし神宗の時、王安石と意見の対立から、徐州・潮州の知事を歴任後、中央に復帰するも、元豊三年(1080)新法の欠陥を詩に詠じたことがもとで黄州に左遷された。

参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社