西行筆と伝えられる山家心中集は(7)臨書して

7.歎けとて

山家心中集 西行伝 祥香臨

釈文:「なげヽとて月やものおをもはする
    かこちがほなるわがなみだかな」

用字は、「な介ヽとて月や者毛のお乎も者する
     可こち可本奈るわ可奈見多可那」

歌意は、「月が私に『嘆きなさいな』といって物思いをさせるだろうか、そんなはずはない。それでも月のあわれを言い訳にするような顔つきで、涙がこぼれ落ちることだ。」

参考文献:和歌の解釈と鑑賞事典 井上宗雄他編 笠間書院