元永本古今集を臨書して(2)春歌上から

2.料紙は

国宝 古今和歌集(元永本)藤原定信筆 祥香臨 東京国立博物館蔵

料紙は、紫、赤、緑、黄、茶、白などの色を染めた地に、唐草、七宝、菱文、亀甲などの型文様を雲母で刷り出したり、摩擦によって文様を表す空摺の技法を用いた日本製の唐紙である。

裏面も金銀の切箔や砂子などがまかれ華麗に装飾される。その美しい料紙に豊かで繊細な線によって、リズミカルな書風を書写したのは、藤原行成の曾孫、定実と推定される。

もと尾張徳川家、加賀前田家を経て三井家に伝来した。
 参考文献:書の美 島谷弘幸著 毎日新聞社