いにしへの歌を書き今を詠む(6)-和泉式部集より-
6.小式部内侍へ挽歌
釈文:「小式部内侍みまかりて後、つねにもち侍りし手箱を、誦経の布施にす、とて『こひわぶと 聞きにだに聞け 鐘の音(おと)に うち忘らるる時のまぞなき』」
選字は「小式部内侍三まかりて後つ年に毛ち侍利し手箱を誦経の布施爾春とて こ悲わ布と聞支耳多介幾け可年の音二 有千王須ら留ヽ度き能万處那支」
鑑賞:「誦経の布施にす」読経をお願いした僧侶への御礼にすること。「鐘」の縁語「打ち」をかける。
現代語風によむと「恋慕い ただ聞くだけは 供養の音(ね) 打ち鳴らす鐘 読経の声」
参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社


