母の四十九日忌に(2)建礼門院右京大夫集より

2.四十九日には

建礼門院右京大夫集 祥香書

詞書「四十九日にもなりて、着られたりし衣、袈裟などとり出でて、こもり僧にとらせ、阿証上人に
  たてまつりなどせしに」

選字は、「四十九日に裳な
     り天着られ多里し衣袈裟奈登ヽ利

     出てヽこも利僧爾と羅せ阿証上人爾た天
     ま徒里奈登せし二」

現代語にすると「四十九日になり、着てらした衣、袈裟などを取り出して、こもり僧から阿証上人に
さしあげなどしたが」

鑑賞:亡くなってから四十九日目に前世までの報いが定まる中陰とも呼ばれます。死者追善の法要を
   行います。この間は死者の魂は迷いの中にあるといえます。

 参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社