江南の春・杜牧(4)漢詩を書く

4.春雨の中にけぶる

杜牧作 祥香書

終句「多少樓䑓煙雨中

書き下し文は、「多少の楼台煙雨の中」

「多少」多くの
「楼台」楼閣
「煙雨」けぶるように降る雨。きりさめ。

現代語にすると、多くの楼閣がけぶるように降る雨の中に建っています。

鑑賞:前半は、のどかな春の景色を見る者に耳からも引き込み、後半は、 
   栄華をしのばせる寺院の数々が春雨にけぶる様から、過ぎ去った
   時代を思い起こさせます。

 参考文献:書で味わう漢詩の世界 石川忠久著/吉澤鐡之書 二玄社