思い人とのはかない別れ(5)建礼門院右京大夫集から
5.月に朝顔
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「有明の 月にあさがほ 見しをりも
わすれがたきを いかでわすれむ」
選字は、「阿利あ希の月耳あ佐可本見
しを理毛王数連可多支越い
家て須れ無」
歌意は、「夜が明けてきて、まだ月が見える時の朝顔は忘れ難いが、いっそ忘れてしまえればどんなにかよいでしょう。」
「あさがほ」は朝の寝起きの顔の意味もあり、朝顔の花と、資盛の朝の顔を重ねています。資盛とのつらい別れを想起させる歌でもあります。
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社