「蜀相」諸葛亮(1)杜甫の詩を書く

1.諸葛孔明の祠

蜀相 杜甫 祥香書

 上元元年(760)杜甫四十九歳の作で、その前年に成都についた作者が敬愛する孔明の廟に詣でたときに詠んだものです。
 「丞相祠堂何處尋
  錦官城外柏森森


読み下し文は「丞相の祠堂 何れの処にか尋ねん
       錦官城外 柏森森」

「蜀相」:蜀の宰相諸葛亮(181〜234)字、孔明。
「錦官城」:成都

意味は、蜀の宰相諸葛亮孔明の祠は、どこに尋ねたらよいだろう。成都郊外のヒノキの一種の木がこんもり茂っているところだ。

「錦」でやや長めに伸ばして、強調しています。全体的に少し文字が大きいですが、細太をつけ、変化を表しています。

 参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明 二玄社