書いてみたい季節の詩歌(1)夏の句
1.夏の月
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「蛸壺や はかなき
夢を夏の月」 芭蕉「猿蓑」
「夏の月」「明石夜泊」の前書。大意は、夏の月が海上を照らしているが、蛸は、海底で引き上げられるのも知らない。タコは壺の中でひと時の夢を見ていることだろう。
松尾芭蕉が『猿蓑』、「初しぐれ猿も小蓑をほしげなり」による命名された俳諧集からの一句です。去来・凡兆との共編、1691年(元禄4年)刊。
芭蕉の時代、変体かなは普通に用いられていたのですが、現代では古文書や書道の関係者以外は縁遠いものとなってしまいました。今回は、漢字とかなを交え、平生使われている言葉で書いてみました。
参考文献:かな墨場辞典俳句編 飯島春敬編 東京堂出版