2025-12-30 / 最終更新日時 : 2025-12-30 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(13)離洛状を臨書して 13.来到長門釈文:「来到長門赤馬泊」 解説:「来」朴訥とした飾り気のない字に味わいがある。何気なく書いて趣がある。 「到」前の字に対して動きのある字がリズムと速さのバランスがよい。書作の筆遣いが目に浮かぶような流麗さで […]
2025-12-29 / 最終更新日時 : 2025-12-30 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(12)離洛状を臨書して 12.甚々釈文:「甚々々抑 今 月十六日」解説:「抑」手偏であるが、書き方が木偏や方偏に近いようである。旁はやや省略が過ぎているのか草書としては読みにくい。 一方、『和様字典』二玄社によると佐理の『国申文帖』や『雲紙本朗 […]
2025-12-28 / 最終更新日時 : 2025-12-28 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(11)離洛状を臨書して 11.倖也釈文:「倖也優顧幸」 鑑賞:「也」かなでは「や」の元字である。終画を縦に長く伸ばしているところは、現代の「や」に近い。これは「也」の草書であるから漢字を使っているが、和風を感じさせる。 大字かなの骨格を表してい […]
2025-12-27 / 最終更新日時 : 2025-12-27 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(10)離洛状を臨書して 10.無方釈文:「無方避逃」 解説:墨の変化が著しい箇所である。墨継ぎをして「無」「方」を連綿でつなげ、上が大きく下が小ぶりの一字のようにつくる。 「避」ではややかすれながらも、筆は八面出峰で様々な面を用いているため炭の […]
2025-12-26 / 最終更新日時 : 2025-12-26 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(9)離洛状を臨書して 9.不参之釈文:「不参之勘責」 鑑賞:「不」かなの「ふ」の元字である。粘り強い線質からは、やわらかい平かなを想起させない。大字かなにおいて用いられるような「かな」である。 「参」頭部は空間を包みながら無駄がなく、下部の密 […]
2025-12-25 / 最終更新日時 : 2025-12-25 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(8)離洛状を臨書して 8.御坐哉の連綿釈文:「御坐哉 進発以前」 鑑賞:「御」から「坐」への連綿は細線ながら、流れを受けた線がしっかりと食い込んでいる。その終画を太くやや右下がりに書き、短い連綿線から続けて横画が躍動する。 終画は伸びやかに渇 […]
2025-12-24 / 最終更新日時 : 2025-12-24 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(7)離洛状を臨書して 7.何等事釈文:「就中殿下何等事」 鑑賞:「何等事」は潤筆の箇所であるが、重さを全く感じさせない。*「筆勢の強さや切れ味に整斉の美を超えた美しさがある。」 その重いきりの良い運筆とともに細やかな動きが相まって、感動の余韻 […]
2025-12-23 / 最終更新日時 : 2025-12-24 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(6)離洛状を臨書して 6.道風の継承釈文:「異於在都之日者也」 鑑賞:「於在」の「於」は変体かなで「お」として使われる。かな書道には馴染みの深い字である。懐深くゆったりとした字は道風からの流れを感じさせつつ、線の食い込む角度に留意した跡が見ら […]
2025-12-22 / 最終更新日時 : 2025-12-24 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(5)離洛状を臨書して 5.恐鬱釈文:「恐鬱之甚」 鑑賞:「恐鬱」あたかも一つの字あるかのように二字を密着させて密につくる。「恐」は抑制的で引き締まった線。「鬱」は広がりをもった字であり、筆の同じ面を使わずに変化に富んでいる。 その下の「之」と […]
2025-12-21 / 最終更新日時 : 2025-12-21 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(4)離洛状を臨書して 4.動静釈文:「未承動静」鑑賞:前字「後」の広い懐の下に「未」を穏やかに運筆し、終画では筆を開き字幅をとる。末尾には「承」を味わい深く添えている。 「二行目の行頭は渇筆で軽やかながら、キリッとした運筆が心地よい。「動」を […]