金沢本万葉集巻二(4)国宝を臨書して

4.仮名で書くと

国宝 万葉集(金沢本)藤原定信筆 祥香臨

釈文:「秋山の樹の下隠り逝く水の
    われこそ益(ま)さめ御思ふよりは」

選字は、「あ支やま能このした可く禮遊久み徒の
     わ禮こ曽まさめ於もふよ利は」

歌意は、「秋山の樹に下の見えないところを通ってゆく水が
     増えてくるように、私は天皇様が思ってくださる
     より一層深くお慕い申しております。」

鑑賞:「し」は長く強調して伸ばしてリズムを作っている。
参考文献:書の美、文字の巧 三の丸尚蔵館展覧会図録