2025-12-26 / 最終更新日時 : 2025-12-26 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(9)離洛状を臨書して 9.不参之釈文:「不参之勘責」 鑑賞:「不」かなの「ふ」の元字である。粘り強い線質からは、やわらかい平かなを想起させない。大字かなにおいて用いられるような「かな」である。 「参」頭部は空間を包みながら無駄がなく、下部の密 […]
2025-12-25 / 最終更新日時 : 2025-12-25 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(8)離洛状を臨書して 8.御坐哉の連綿釈文:「御坐哉 進発以前」 鑑賞:「御」から「坐」への連綿は細線ながら、流れを受けた線がしっかりと食い込んでいる。その終画を太くやや右下がりに書き、短い連綿線から続けて横画が躍動する。 終画は伸びやかに渇 […]
2025-12-24 / 最終更新日時 : 2025-12-24 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(7)離洛状を臨書して 7.何等事釈文:「就中殿下何等事」 鑑賞:「何等事」は潤筆の箇所であるが、重さを全く感じさせない。*「筆勢の強さや切れ味に整斉の美を超えた美しさがある。」 その重いきりの良い運筆とともに細やかな動きが相まって、感動の余韻 […]
2025-12-23 / 最終更新日時 : 2025-12-24 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(6)離洛状を臨書して 6.道風の継承釈文:「異於在都之日者也」 鑑賞:「於在」の「於」は変体かなで「お」として使われる。かな書道には馴染みの深い字である。懐深くゆったりとした字は道風からの流れを感じさせつつ、線の食い込む角度に留意した跡が見ら […]
2025-12-22 / 最終更新日時 : 2025-12-24 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(5)離洛状を臨書して 5.恐鬱釈文:「恐鬱之甚」 鑑賞:「恐鬱」あたかも一つの字あるかのように二字を密着させて密につくる。「恐」は抑制的で引き締まった線。「鬱」は広がりをもった字であり、筆の同じ面を使わずに変化に富んでいる。 その下の「之」と […]
2025-12-21 / 最終更新日時 : 2025-12-21 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(4)離洛状を臨書して 4.動静釈文:「未承動静」鑑賞:前字「後」の広い懐の下に「未」を穏やかに運筆し、終画では筆を開き字幅をとる。末尾には「承」を味わい深く添えている。 「二行目の行頭は渇筆で軽やかながら、キリッとした運筆が心地よい。「動」を […]
2025-12-20 / 最終更新日時 : 2025-12-20 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(3)離洛帖を臨書して 3.謹言釈文:「謹言離洛之後」鑑賞:「謹」言偏は一息で書かずに折れ曲がる向きと方向に味わいがある。旁も軽く受け終画は筆尾開いて収める。 「言」上と対照的に小さく始まる。線と点の動きで軽やかさが生まれている。 「離」偏は潤 […]
2025-12-19 / 最終更新日時 : 2025-12-19 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(2)離洛状を臨書して 2.佐理とは藤原佐理(944〜98)は、小野道風・藤原行成とともに、『三蹟』として名が知られる能書家である。平安初期において空海・嵯峨天皇・橘逸勢の『三筆』に次いで平安中期に活躍した。 『三蹟』の功績は和様書道の確立であ […]
2025-12-18 / 最終更新日時 : 2025-12-18 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(1)離洛帖を臨書して 1.離洛帖とは「離洛・・」に始まる書状。正暦二年(991)の正月二十七日、春の除目で佐理は太宰大弐に任ぜられた。太宰府の地に置かれた対外および九州の総管府として重視された役所の次官として赴任する予定だった。 四月二十六日 […]
2023-02-12 / 最終更新日時 : 2023-02-12 タオ 国宝の書 西行の一品経和歌懐紙を臨書して(5)その澄んだ線は 5.わたつうみの 釈文:「わたつうみの ふかきちかひにたのみあれば かのきしべにも わたらざらめや」 本作の用字は「わ多つうみ能布可支ち可ひ爾多の 見あ連は可能きしへ爾も わ多ら佐ら免邪」 […]