2020-09-17 / 最終更新日時 : 2020-09-06 タオ 思慕の情 過ぎ去ったかつての恋(1)建礼門院右京大夫 1.往時の恋 さらに、建礼門院右京大夫の題詠は多才になってきます。 「往時恋」では、過ぎ去った昔の恋と題し詠みます。 「あはれしりて たれか尋ねむ つれもなき 人を恋ひわび 石となるとも」*① 選字は、「あは連し […]
2020-09-16 / 最終更新日時 : 2020-09-03 タオ 思慕の情 建礼門院右京大夫、題詠歌を詠む(5) 5.心を二つに分けて 四句目は、「秋の月に対し、春の花を待つ」の題で、 「はやにほへ心をわけて夜もすがら 月を見るにも花をしぞ思ふ」*① 選字は、「八や爾ほへ心をわ介てよ裳す から月越三る耳毛者那を […]
2020-09-15 / 最終更新日時 : 2020-09-03 タオ 思慕の情 建礼門院右京大夫、題詠歌を詠む(4) 4.鶯の声に何がある? 年が改まるときに、待たれるものは鶯の声、という歌がありました。ここでは、「鶯有慶音」と題し、「鶯の声によろこびの響きがある」という題意です。すでにこの題の設定によって、景色が浮かびます。 「のど […]
2020-09-14 / 最終更新日時 : 2020-09-03 タオ 思慕の情 建礼門院右京大夫、題詠歌を詠む(3) 3.鶯の登場 同じ題でもう一首詠みます。「春きぬと たれうぐひすに告げつらむ 竹のふるすは春もしらじを」 選字は、「春きぬ登多れ有具ひすにつ 希徒らん堂けのふる春を八 者るもし羅志を」 意味は、「春になっ […]
2020-09-13 / 最終更新日時 : 2020-09-03 タオ 思慕の情 建礼門院右京大夫、題詠歌を詠む(2) 2.なんとなく立春の歌 はじめの題は、「なにとなくよみし歌の中に、春立つ日」なんというわけもなく詠んだ歌の中で、立春の日、 「いつしかと氷とけゆくみかは水 ゆく末遠きけさのはつはる」 歌意は、「立春の今朝、早く氷がと […]
2020-09-12 / 最終更新日時 : 2020-09-03 タオ 思慕の情 建礼門院右京大夫、題詠歌を詠む(1) 1.題詠歌とは? 題詠歌とは、出された題のよって歌を詠むことで、院政期以降は主にこの形で詠まれることが多くなりました。建礼門院右京大夫集は、作者の実人生のあやを辿りながら、歌を詠む形でここまで進んできました。 実際に歌を […]
2020-09-11 / 最終更新日時 : 2020-08-30 タオ 思慕の情 帝の御笛をほめたのに(5)建礼門院右京大夫 5.そなたの気持ちはわかっているよ 建礼門院右京大夫は、あなたの心はわかっていますよ、とお優しい御歌をいただきます。それが、 「笛竹のうきねをこそは思ひ知れ 人の心をなきにやはなす」*① 選字は、「布えた介のうきね […]
2020-09-10 / 最終更新日時 : 2020-08-30 タオ 思慕の情 帝の御笛をほめたのに(4)建礼門院右京大夫 4.つぶやきのつもりが・・・ 建礼門院右京大夫が、ひとりぶつぶつと詠んだ歌が、帝の耳に入ってしまいます。その場面が、 「とつぶやくを、大納言の君と申ししは、三条内大臣の御女とぞ聞えし、その人、『かく申す』と申させ給へば、 […]
2020-09-09 / 最終更新日時 : 2020-08-30 タオ 思慕の情 帝の御笛をほめたのに(3)建礼門院右京大夫 3.お世辞などではありません! 建礼門院右京大夫は、そんなつもりで申し上げたわけではないのに、帝は「それはそら事を申すぞ」などと言われます。そこで、一首を詠みます。 「さもこそは数ならずとも 一すぢに 心をさへも […]
2020-09-08 / 最終更新日時 : 2020-08-30 タオ 思慕の情 帝の御笛をほめたのに(2)建礼門院右京大夫 2.帝の笛をほめちぎる 釈文:「いつの年にか、月明かりし夜、上の御笛ふかせおはしまししが、ことにおもしろく聞こえしを、めでまゐらすれば、『かたくなはしきほどなる』と、この御方にわたらせおはしま してのちに、語りまゐらせさ […]