俊成卿女家集を書いて詠む(21)-余情あふれて-

21.参考にした歌は
「風吹けば・・・」には参考歌がある。
「荻の葉に露吹き結ぶ秋風も夕ぞわきて身にはしみける」出典は『源氏物語 蜻蛉』薫の歌である。

同様に六百番歌合の時の良経の歌「君もまた夕やわきてながむらん忘れずはらふ荻の上かな」も上の歌に拠る。

両者に共通する「夕ぞ(や)わきて」を本歌からとり、俊成卿女は「夕はわきて露こぼれけり」としたことが、秋の寂寥感を一層際立たせ秀逸であると評価された。それ以前にはこの用例は見当たらないとのことである。

参考文献:俊成卿女の表現方法 渡邉裕美子