いにしへの歌を書き今を詠む(15)-和泉式部集(九十三)-

15.潮のまに
釈文:「潮のまに 四方のうらうら たづぬれば いまはわが身の いふかひもなし」

選字は「志ほの万耳四方農う羅ヽヽ多徒ぬ連盤 以ま波王可身能伊布か日も難し」

鑑賞:上句は「いふかひ」の序である。参考歌として「潮のまにあさりする海人もおのが世々かひありとこそ思ふげらなれ」『後撰集』恋三 紀長谷雄、がある。

現代風によむと「潮が引き たづね歩いて さがす貝 今となっては 甲斐もないこと」

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社