懐素『自叙帖』を書いて(15)-蘇軾の小楷から

15.心にさとるところあり
釈文:「豁然心胸。略無疑滞。」
書き下し文は「心胸豁然、略疑滞無し。」

意味は「心にさとるところあり、今日ではほぼ疑うところもないようになった。」

鑑賞:「然」には行意があり、「疑」も同様である。行意とは楷書に行書の趣が含まれているもので、褚遂良の『雁塔聖教序』にも多数見られる。

「胸」楷書として見慣れている字形である。草書では偏と旁の位置が異なっていたが、漢字ではこうした例が見られる。

参考文献:蘇軾 二玄社