窓を打つ雨の音に(6)和泉式部日記より

6.増水した川を見に

釈文:「ひるつ方、川の水まさりたりとて、人々見る。宮も御覧じて、『ただいまいかが、水見になん、行き侍る。」

選字は「ひる徒可多川農水ま佐里多利と亭人々見る 宮も御覧して堂ヽい可ヽ水見二奈无行支侍る」

鑑賞:「ひるつ方」昼の頃『源氏物語』(葵)に「昼つ方渡り給ひて」とある。「川」賀茂川のこと。

大意は「昼の頃、鴨川の増水したということで人々が見にゆく。宮もご覧になり、今はどうしていますか。増水した川を見に来ました。」

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社