窓を打つ雨の音に(5)和泉式部日記より

5.私も同じ思いで

釈文:「われもさぞ思ひやりつる雨の音を させるつまなき宿はいかにと」

選字は「わ連茂沙そ思比や利徒るあ免の音越 佐せる都ま那支宿者以可耳度」

鑑賞:「つま」は「軒端」の意に「夫(つま)」をかける。「宿」は歌語。

歌意は「私も同じ思いでしたので、あのように申し上げました。あれほどひどい雨の晩に、よるべき夫のいない家はどうしているだろうと思いまして。」

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社