蘇軾の行書・榿木詩巻を臨書する(3)杜甫「堂成」から
3.川沿いの道に
釈文:「綠江路熟俯青郊」
書き下し文は「江に綠(そ)い路熟して青郊に府す」
鑑賞:「江」は錦江、川の名。四川省成都市内を流れる川。古代、錦をさらしたのでその名がある。
「府」は偏をしっかりと墨が入り、旁の麻垂れは長く伸びて、下に「青」を小さく包み込むようだ。「郊」の終画は一度に引かず何度かに分けて筆を進ませたことがわかる。
それほどのこだわりを感じさせずに、筆端まで気持ちをめぐらせた跡が伺える。
参考文献:蘇軾集 二玄社