志を一つにするとは(5)荘子から読み解き書く

5.心のものいみを教えてください

荘子 祥香書

顔回が孔子に問います。
 「回曰敢問心齋仲
  尼曰、若一汝志、尤聴之
  以耳


書き下し文は、「回曰わく、敢えて心斎を問うと。仲尼曰わく、若、汝の志を一つにせよ。
これを聴くに耳を以ってすることなくして」

心斎とは何ですかと、敢えて顔回が尋ねると、孔子は「志を一つにすることだ。これを聴くには、耳で聞くのではない。」

心のものいみとは何か、と問われた孔子は否定から入ります。感覚器官で受容したものを
心で映して過去の経験などから認識することを、ここでは「心を師とする」と呼び、それではありませんと言います。

「志を一つにする」ことは難しくこれから語られます。
 参考文献:荘子 金谷治訳注 岩波書店