志を一つにするとは(4)荘子から読み解き書く

4.酒を飲まず刺激物も食しない

荘子 祥香書

顔回の家は貧しくて酒も飲まないという。それでいいでしょうか。
 「唯不飲酒、不茹薑者、
  數月矣、若此則可為

  (以)為齋乎、曰、是祭祀之齋非
  心齋也」

書き下し文は、「唯えに酒を飲まず、薑(はじかみ)を茹(くら)
わざる者、数月なり。此くの若くんば即ち以て齋と為すべきかと。
曰わく、是れ祭祀の齋なり、心齋に非ざるなりと。」

意味は、顔回の家では刺激のある野菜も食べない日が、数ヶ月も
続いています。この状況なら、ものいみをしていることになるで 
しょうか。それは祭りの時のことで、心齋ではないよ、と孔子が
言った。

この「心齋」とは、心のものいみのことで、外形状のことでは
ないと述べています。では、どういうことかこれから語られます。
 参考文献:荘子 金谷治訳注 岩波書店