故郷に帰り恬淡な暮らしを(1)李頎の詩より

1.粗末な小屋が

釈文:「荊扉帯郊郭 稼穡東菑」
書き下し文は「荊扉(けいひ)郊郭に帯び 稼穡 東菑に満つ」

鑑賞:詩形は五言律詩。作者の李頎(りき)は唐の人。開元二十三年(735)の進士。新郷県の尉だった。俗世を糸井、仙術を研究していたといわれる。

「荊扉」いばらの扉の粗末な家。「郊郭」城郭をでた郊外。「稼穡」植え付けと刈り入れ。

現代語にすると「粗末な小屋が郊外に続き、東の田は今借り入れを待っている。」

参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社