故郷に帰り恬淡な暮らしを(2)李頎の詩より

2.夕暮れ時

釈文:「倚杖寒山暮 鳴梭秋葉時」
書き下し文は「杖に倚る 寒山の暮 梭に鳴る 秋葉の時」

鑑賞:「寒山暮」夕暮れ時の寒々とした山。「鳴梭」機(はた)織りで、よこ糸を巻いた管を入れて、たて糸の中をくぐらせる、小さい舟形のものを鳴らす。そのような葉音。「秋葉時」は木の葉が散る秋の頃。

現代語にすると「夕暮れ時に寒々とした山に杖をついて出ると、秋には木の葉が音を立てて散る。」

参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社