蘇軾にみる精神性(3)黄州寒食詩巻より

3.寒食とは

黄州寒食詩巻 蘇軾筆 祥香臨

寒食とは、冬至から百五日め、つまり清明節(陽暦の四月五日、六日)の前日である。この日をはさんで前後三日間、火を使わず冷えたものを食べる。

例年であれば墓参と野遊の日であるが、この年は秋のように冷たくさびしい長雨が降り続いた。その上蘇軾自身が流罪の身ということもあり、その思いが綴られている。

この詩巻は現在、台北故宮博物館に所蔵されている。巻後には黄庭堅が跋を加えている。

参考文献:蘇軾集 大野修作解説 二玄社