喪乱帖(3)王羲之の尺牘

3.王羲之はいかにして書聖となったか

祥香臨・模

王羲之の書は、在世中から偽物が出回るほど人気がありましたが、亡くなった後も歴代の皇帝が愛好しました。そして、王書の収集と整理が行われました。

宋の明帝(在位465〜472)は、各地に使者を派遣して、散逸した書籍を収集しました。収集品はその出来栄えから等級別に分類し、等級ごとに部材を変えた軸に意匠を施しました。

羲之の没後、約百年を経て、国家的規模で二王の書が盛大に蒐集されました。ところが、それらの多くは宋王朝の滅亡と共に散逸してしまいました。

 参考文献:書聖王羲之の世界 島谷弘幸監修 東京美術