喪乱帖(4)王羲之の尺牘

4.決定づけた人物

祥香臨・模

梁の武帝も王書を愛し、天下に散在した書籍を収集させ、書籍一万五千紙を得ましたが、損傷したものもありました。そこで天覧年間(502〜519)朱异、徐僧権たちに命じて等級別の分類と題せんをつけて整理し、およそ七十八帙七六七巻としました。

現在も「喪乱帖」などに徐僧権の署名の一部分が残され、当時の鑑定の名残をとどめています。

王書の神格化を決定づけた人物は唐の太宗皇帝でした。貞観十三年(639)、太宗は勅命によって天下の王羲之の書を収集させて、高額の報酬を与えました。

 参考文献:書聖王羲之の世界 島谷弘幸監修 東京美術