初めて見そめたような星月夜(3)建礼門院右京大夫集から

3.空が浅葱色に

建礼門院右京大夫集 祥香書

釈文:「空を見上げたれば、ことに晴れて浅葱色なるに、光こと
    ごとしき星の大きなる、むらなく出でたる」

選字は、「空を見上希多れ者こ登二
     盤連亭浅葱色奈るに光ことヽヽし支
     星乃大き那る牟羅奈久出て多流」

大意は、「空を見上げれば、ひときわ晴れて浅葱色になり、特に
     よく光っていて大きい星が一面に出ていたのは」

鑑賞:「浅葱色」染め色の名前。薄い藍色、白青ともいいます。

 参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社