夏深きころ蜩とともに(1)建礼門院右京大夫集から

1.竹の葉は強い日差しで

建礼門院右京大夫集 祥香書

作者の建礼門院右京大夫は思い人の資盛を亡くし、失意のうちに時を過ごしています。
出家をしようかと迷いますが、踏み切れません。

釈文:「夏深き頃、つねにゐたる方の遣戸は谷のかたにて、見下したれば、竹の葉は
    強きに日によられたるやうにて、まことに土さへ裂けて見ゆる世のけしきにも」

選字は「夏深き頃つ年耳ゐ多流可堂の遣戸盤
    多に農可た爾て見下し多れ盤竹の葉
  
    は強支日によ羅連多流やう爾てまこ登二
    土佐へ裂希て見ゆる世のけ志支爾裳」

大意は、「夏が深まった頃、いつもいる部屋の引き戸は谷に面していて、見下ろすと竹の
     葉がよじれたようになり、土はひび割れて見える景色にも」

 参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社