雄大で勢いのある仮名の古筆(4)今城切を臨書して

4.神な月に

今城切 藤原教長筆 祥香臨

六行目の歌は
「神な月 時雨ふりおける 楢の葉の
 名におふ宮の ふるごとぞ これ」

選字は、「か美なつ支志久れふ利於介るならの者能
     な爾於ふみやのふること曽これ」

鑑賞:「奈良の宮」と「楢の葉」と掛けて、奈良に都があった時代を指しています。
   「志」で墨つぎをし、連綿しながらも筆は弛まずに運筆をしています。筆を
    起こして弾力を生かす筆法は、見る者にも切れ味よく印象的です。

 参考文献:書の美 島谷弘幸著 毎日新聞社