変わり果てた姿の平家一門(3)建礼門院右京大夫集を書いて
3.これは現実なのか
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言いようのないつらさに作者は歌を詠みます。
「あはれされば これはまことか なほもただ
夢にやあらむ とこそおぼゆれ」
選字は、「あ者禮さ連八これ盤まこ登可な本
裳たヽ夢爾や阿らむと故處おほ
遊麗」
現代語にすると、「ああそうであれば、これは本当のことだったのか。それでもまだ私には夢のようだと思われます。」
夢であってほしいと願う作者には、耐え難い現実なのです。
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社