船の泊りの花他(1)建礼門院右京大夫集から

1.船の泊りの花

建礼門院右京大夫集  祥香書

題は、「船の碇泊場辺りに咲く花」の意です。
  「高砂の尾上の春をながむれば
   花こそ船のとまりなりけれ」

選字を「高砂の尾上の者流を奈可無
    れ盤八なこ楚ふ年農登ま
    里奈利希連」

「高砂」は兵庫県高砂市の桜の名所で、歌枕です。
あまりの桜の美しさに、船を漕ぐ手が休み、碇泊場のようであることよ。
洒落た比喩に頬がゆるみますね。