すみれ山吹、春の暮(1)建礼門院右京大夫集より

1.名所のすみれ

建礼門院右京大夫集  祥香書

今回は、言葉のあやを楽しむ歌です。
 「おぼつかな ならびの岡の名のみして
  ひとりすみれの花ぞつゆけき」

選字は、「おぼつ可奈難ら日能岡の名乃み
     して飛とり春美連の八
     那そつ遊介支」

「ならびの岡」は京都市仁和寺市の双ヶ岡です。「すみれ」は、一人住みの「住み」にかけてあります。「ならぶ」と「ひとり」など言葉の対比を中心にした作家となっています。

 参考文献:建礼門院右京大夫集 新潮社