2025-12-20 / 最終更新日時 : 2025-12-20 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(3)離洛帖を臨書して 3.謹言釈文:「謹言離洛之後」鑑賞:「謹」言偏は一息で書かずに折れ曲がる向きと方向に味わいがある。旁も軽く受け終画は筆尾開いて収める。 「言」上と対照的に小さく始まる。線と点の動きで軽やかさが生まれている。 「離」偏は潤 […]
2025-12-19 / 最終更新日時 : 2025-12-19 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(2)離洛状を臨書して 2.佐理とは藤原佐理(944〜98)は、小野道風・藤原行成とともに、『三蹟』として名が知られる能書家である。平安初期において空海・嵯峨天皇・橘逸勢の『三筆』に次いで平安中期に活躍した。 『三蹟』の功績は和様書道の確立であ […]
2025-12-18 / 最終更新日時 : 2025-12-18 タオ 国宝の書 藤原佐理書状(1)離洛帖を臨書して 1.離洛帖とは「離洛・・」に始まる書状。正暦二年(991)の正月二十七日、春の除目で佐理は太宰大弐に任ぜられた。太宰府の地に置かれた対外および九州の総管府として重視された役所の次官として赴任する予定だった。 四月二十六日 […]
2023-02-12 / 最終更新日時 : 2023-02-12 タオ 国宝の書 西行の一品経和歌懐紙を臨書して(5)その澄んだ線は 5.わたつうみの 釈文:「わたつうみの ふかきちかひにたのみあれば かのきしべにも わたらざらめや」 本作の用字は「わ多つうみ能布可支ち可ひ爾多の 見あ連は可能きしへ爾も わ多ら佐ら免邪」 […]
2023-02-11 / 最終更新日時 : 2023-02-11 タオ 国宝の書 西行の一品経和歌懐紙を臨書して(4)その澄んだ線は 4.ふたつなく それでは本文の釈文を見ていくと、「ふたつなくみつなきのりの あめなれど いつヽのうるひ あまねかりけり」 用字は、「布多つ那具みつ那久の里の あめ奈れといつヽのうるひあ万ね 可利介利」 鑑 […]
2023-02-10 / 最終更新日時 : 2023-02-09 タオ 国宝の書 西行の一品経和歌懐紙を臨書して(3)その澄んだ線は 3.西行の真跡は 西行筆と伝えられている書は、あるけれども真筆と確認されたものは数少ない。その中でも、この「一品経和歌懐紙」と「仮名消息」(宮内庁三の丸尚蔵館蔵)は真蹟であると認められている。 一見して、その緩みのない澄 […]
2023-02-09 / 最終更新日時 : 2023-02-09 タオ 国宝の書 西行の一品経和歌懐紙を臨書して(2)その澄んだ線は 2.西行の出家 西行は漂白の歌人として名高いが、かつては北面の武士として鳥羽上皇に仕えていた。北面の武士とは、白河上皇の院政時代に設置された院司の一つで、院の北面で警護に当たる。 しかし、保延六年(1140)23歳で出家 […]
2023-02-08 / 最終更新日時 : 2023-02-09 タオ 国宝の書 西行の一品経和歌懐紙を臨書して(1)その澄んだ線は 1.一品経和歌とは こちらは西行(1118〜1190)の真筆として知られる一品和歌懐紙を臨書したものである。 そもそも一品経和歌とは、法華三十講・一品経供養ののちに開かれる歌会で、それぞれの経典の経意を読んだものである。 […]
2023-02-07 / 最終更新日時 : 2023-02-08 タオ 国宝の書 金沢本万葉集巻二(8)国宝を臨書して 8.あなたを恋しく かなの選字は次のように「たま久しけみむまとやま能さね可川ら」 鑑賞:「円山」を「まとやま」と訓じる説があり、これはそのように読んでいる。漢字を当てたものの、どのように読むかが、時代を経てわからなくなっ […]
2023-02-06 / 最終更新日時 : 2023-02-08 タオ 国宝の書 金沢本万葉集巻二(7)国宝を臨書して 7.鎌足の返し 藤原鎌足が返した歌は、原文:「内大臣藤原卿報鏡王女歌一首 玉くしげ将見円山乃狭名葛佐不寝者遂爾 有勝麻之目」 釈文:「玉くしげみまと山のさなかづら さ寝ずはつひにありかつましじ」 語釈:「 […]