金沢本万葉集巻二(2)国宝を臨書して

2.筆跡は

国宝 金沢本万葉集 藤原定信筆 祥香臨

筆跡は、平安後期に管弦と和歌に優れた才能を発揮した源俊頼と考えられていたが、近年の研究によって今日では藤原定信の筆跡と考えられる。

定信は、能書で三蹟の一人、藤原行成にはじまる第五代に当たる。康治元年の近衛天皇大嘗会屏風の色紙形を書するなど、能書として知られる。

料紙は、中国から舶載された唐紙に倣って日本で制作された日本製唐紙である。

参考文献:書の美、文字の巧 三の丸尚蔵館展覧会図録