2022-10-04 / 最終更新日時 : 2022-10-04 タオ 思慕の情 夏深きころ蜩とともに(4)建礼門院右京大夫集から 4.仏様さえも 夏が深まる頃に地面が乾き、鳴き続けるひぐらしに自らを重ね合わせます。そして、これまで信じてきた神仏に思いを馳せます。 釈文:「なぐさむこともなきままには、仏にのみ向ひたてまつるも、さすがをさなく よ […]
2022-10-03 / 最終更新日時 : 2022-10-02 タオ 思慕の情 夏深きころ蜩とともに(3)建礼門院右京大夫集を書く 3.教えておくれ ひぐらしの鳴く夏の終わりに、問いかける歌を作者は詠みます。 釈文:「言とはむ なれもやものを 思ふらむ もろともになく 夏のひぐらし」 選字は、「故とヽ盤む奈れ毛やもの越四布ら無 裳流とも […]
2022-10-02 / 最終更新日時 : 2022-10-02 タオ 思慕の情 夏深きころ蜩とともに(2)建礼門院右京大夫集から 2.我が袖ひめや 強い日差しによれたような竹の葉を見て、作者は「我が袖ひめや」という万葉集の一節を思い出します。慣れ親しんだ文学的素養は、作者を支えてもいるのでしょう。 釈文:「『我が袖ひめや』と、またかきくらさるるに、 […]
2022-10-01 / 最終更新日時 : 2022-10-01 タオ 思慕の情 夏深きころ蜩とともに(1)建礼門院右京大夫集から 1.竹の葉は強い日差しで 作者の建礼門院右京大夫は思い人の資盛を亡くし、失意のうちに時を過ごしています。出家をしようかと迷いますが、踏み切れません。 釈文:「夏深き頃、つねにゐたる方の遣戸は谷のかたにて、見下したれば、竹 […]
2022-09-21 / 最終更新日時 : 2022-09-19 タオ 思慕の情 資盛を弔い源氏物語を思い出して(8)建礼門院右京大夫集を書く 8.十悪とは 真実にそむいて巧みに飾り立てたことばを「綺語」といい、十悪の一つとされますが、他にどういうものがあるのでしょうか。 十悪とは、仏教語で身・口・意の三業がつくる10種の罪悪です。殺生・偸盗(ちゅうとう)・邪淫 […]
2022-09-20 / 最終更新日時 : 2022-09-22 タオ 思慕の情 資盛を弔い源氏物語を思い出して(7)建礼門院右京大夫集を書く 7.玉の緒も 「かばかりの 思ひにたへて つれもなく なほながらふる 玉の緒も憂し」 選字は、「可は閑り農思ひ二多遍て徒連も奈久 難本奈可羅布る玉の緒も憂し」 歌意は、「これほどの悲しみに耐えて、なおも生き永らえ […]
2022-09-19 / 最終更新日時 : 2022-09-19 タオ 思慕の情 資盛を弔い源氏物語を思い出して(6)建礼門院右京大夫集を書く 6.あの人の筆の跡は 「かなしさの いとどもよほす 水茎の 跡はなかなか 消えぬとぞ思ふ」 選字は、「か那しさのいとヽ裳よほ春水茎の 阿と盤奈可ヽヽ消えねと曽思布」 歌意は、「目にすると、かなしさを何度も誘う、あ […]
2022-09-18 / 最終更新日時 : 2022-09-18 タオ 思慕の情 資盛を弔い源氏物語を思い出して(5)建礼門院右京大夫集を書く 5.源氏の物語にあったような 「『見るも甲斐なし』とかや、源氏の物語にあること思ひ出でらるるも、『なにの 心ありて』と、つれなくおぼゆ。」 選字は、「見るも甲斐奈し登可や源 氏の物語耳あるこ度思ひ出てら流ヽ […]
2022-09-17 / 最終更新日時 : 2022-09-17 タオ 思慕の情 資盛を弔い源氏物語を思い出して(4)建礼門院右京大夫集を書く 4.一つも残さずに 「なにかと見ゆるが、かき返すやうにおぼゆれば、ひとつも残さず、みなさやうにしたた むるに」 選字は、「那二かと見ゆ流可ヽ支返すやうにお本ゆ 連八比とつも残さ春み奈佐やうに志多 多む流爾 […]
2022-09-16 / 最終更新日時 : 2022-09-15 タオ 思慕の情 資盛を弔い源氏物語を思い出して(3)建礼門院右京大夫集を書く 3.涙で目の前が かつて資盛からいただいた手紙の筆跡や言葉が見るまいとしても目に入ってつらくなります。八行目から「昔のあとは涙のかかるならひなるを、目もくれ心も消えつつ、いはぬかた なし。そのをり、とありし、か […]