2020-08-28 / 最終更新日時 : 2020-08-30 タオ 思慕の情 朝霧のようにおかくれに(1)-建礼門院右京大夫 1.建春門院のご冥福を祈ってつい先頃までお元気でいらした建春門院が、安元二年(1176)七月八日、三十五歳の若さで崩御されました。その御冥福を祈り、天皇が自ら法華経を写経されたのです。 内裏で参列された方々は、華やかであ […]
2020-08-27 / 最終更新日時 : 2020-08-20 タオ 思慕の情 憧れの君を見る人の(5)-建礼門院右京大夫 5.なかなかに気ままなお振舞い今回の場面では、いくつかの印象的なやりとりが見受けられます。 イ)かな書の観点から言いますと「あふひ」を「逢ふ日」と「葵」にかけていることです。 現代では、「逢ふ日」は「アウヒ」と読みます […]
2020-08-26 / 最終更新日時 : 2020-08-20 タオ 思慕の情 憧れの君を見る人の(4)-建礼門院右京大夫 4.本心はどちらでしょうか さらに、実宗が問いかけます。釈文:といひたれば、「おぼしめしはなつしも、深き方にて、心清くやある」と笑はれしも、さることと、をかしくぞありし。 選字:とい日多れ者お保しめ志ハ なつしもふか […]
2020-08-25 / 最終更新日時 : 2020-08-20 タオ 思慕の情 憧れの君を見る人の(3)-建礼門院右京大夫 3.あなたも憧れておられるのでしょう 頭中将実宗が、言われます。釈文:「ただ今の御心のうちも、さぞあらむかし」といはるれば、物の端に書き手さし出づ。 なかなかに 花の姿はよそに見て あふひとまでは かけじとぞ思ふ […]
2020-08-24 / 最終更新日時 : 2020-08-20 タオ 思慕の情 憧れの君を見る人の(2)-建礼門院右京大夫 2.維盛を見る女性は 頭中将実宗の歌「うらやまし 見と見る人の いかばかり なべてあふひを 心かくらむ」 歌意は、「うらやましいことだ、維盛を見るすべての女人は、どんなにか 一緒になれる日をひそかに願っていること […]
2020-08-23 / 最終更新日時 : 2020-08-20 タオ 思慕の情 憧れの君を見る人の(1)-建礼門院右京大夫 1.うらやましいほど 頭中将実宗に、「これほど美しい容姿であったならば、とらわれの心が生まれてよくないことだろう」とまで言わしめた維盛の凛々しい姿でした。 前回と少し重なるところがありますが、釈文は「中将、『あれがやうな […]
2020-08-22 / 最終更新日時 : 2020-08-09 タオ 思慕の情 若き維盛の警固姿に(5)建礼門院右京大夫は 5.美しすぎると命が惜しい 前回、頭中将は、「維盛のように、美しい容姿であったならば、命が惜しくてかえってよくないことだ」と述べています。 それは、なぜでしょうか。現代では、美しさに羨望の眼差しが注がれることがあっても、 […]
2020-08-21 / 最終更新日時 : 2020-08-09 タオ 思慕の情 若き維盛の警固姿に(4)建礼門院右京大夫は 4.絵物語を見るようで 現代語訳を続けますが、底本に「ふたえ」とあるのを、「ふたあゐ」と改めてあります。*① 「二藍(赤みを帯びた藍色)の色が濃い直衣(平常服)に括り袴、若楓(表が薄萌黄色、裏は薄紅梅色)の衣、その季節の […]
2020-08-20 / 最終更新日時 : 2020-08-09 タオ 思慕の情 若き維盛の警固姿に(3)建礼門院右京大夫は 3.警固姿は凛々しくて さらに、もう一語「警固の姿」とは賀茂祭の前々日の未の日から翌日まで、近衛府の中将以下が束帯または直衣に弓矢・剣を帯し冠に巻れいをつけた服装で警固にあたることです。 それでは、現代語訳を試みますと、 […]
2020-08-19 / 最終更新日時 : 2020-08-09 タオ 思慕の情 若き維盛の警固姿に(2)建礼門院右京大夫は 2.賀茂神社の祭礼に 使われている語彙を少し見ていきましょう。みあれ:御生と書き、賀茂神社の祭神、別雷命の生誕祭といわれます。 藤壺:宮中五舎の一つ、飛香舎、清涼殿の北、弘徽殿の西に位置します。 壺(中庭)に藤が植え […]